考察・提言

真の意味で自律神経整体を実践するために

整体で、自律神経の不調が改善する。
少しずつ、その事実が認知されつつあると感じる。

だからだろうか。
ネットで「自律神経整体」という言葉を時々目にする。
自律神経整体協会なるものも存在するようだ。

同業の先生から「これからは自律神経が狙い目ですかね?」と相談されることもある。
自律神経専門を訴求する治療院も、増えてきている。

試しに、googleで「自律神経失調症 整体」と入力して検索してみて欲しい。
非常に多数の治療院がヒットする。
自慢ではないが、当院は現時点では検索1ページ目に出現する。

今般、これまでの自分の経験を生かし、治療家向けに「自律神経整体ワンディセミナー」を開講する。
初回開講ゆえ、破格の低受講料でオファーしたこともあるが、数日内に定員の倍の人数の応募があったことからも、治療家たちの関心の高さがうかがえる。

ただ、治療家が自律神経整体を語る時、技術論に陥りがちである。
自律神経失調症の改善に、技術は非常に重要だが、それだけでは成立しない。
いずれ厳しくなる競争にも、生き残れないだろう。

では、どうすればよいのか。
この機に私なりに「自律神経整体」をどう考えるか、まとめて述べておこうと思う。
自律神経整体に取り組もうとされている方の参考になれば、幸いである。

自律神経失調症は“ブルーオーシャン”か?

確かに、自律神経の不調で悩む人は、想像以上に大勢いる。
いくら病院へ通っても治らないので、最後の望みを託して、わらにもすがりたい気持ちで私たちの整体院を訪ねて来られる方が、本当に多い。

それを裏付ける確かな事実として、日本の年間医療費の高騰がある。
厚労省の発表によると、2014年以来、40兆円を超え続けているが、多くの方はご存じない。

40兆円がいかに巨額か、考えて欲しい。
国家予算の約半分だ。
国民一人当たりの額を50年前と比較すると、約100倍である。

疾患のすべてに、自律神経の不調が関わるとは言わない。
しかし、多くの疾患に自律神経の不調が関わると推測されるので、そこに自律神経整体の大きな市場があることは間違いない。

だから、マーケティング的に申せば、自律神経失調症は“ブルーオーシャン”と言ってもよいだろう。
ブルーオーシャンとは、ほとんど手つかずの巨大市場をさす。

だからいま、自律神経整体を実践するのは、「上りエスカレーターに乗る」ようなものだ。
逆に、その他の既存領域で頑張るのは「下りエスカレーターを上る」に等しい。

自律神経失調症は、需要は多いし、これからますます伸びる分野であることは間違いない。
だからと言って、安易に「自律神経対応」を看板に掲げることは、お勧めしない。

それは、なぜか。

自律神経整体の実際

実際は、自律神経失調症の対応は、非常に難しいからである。
いや、難しくなってきたというべきか。

以下、その根拠となる傾向をあげてみる。
ただし、あくまでも私の経験に基づく実感であることをお断りしておく。

症状の重症化、複雑化

数年前までは、めまいや頭痛、あるは慢性疲労など、比較的軽症の方が多かった。
なので、数回から10回前後の施術で改善されることが大半だった。

そういう方も相変わらず多いが、最近は重症者が増えつつある。
患っている期間が十年以上に及ぶ方も、珍しくない。
そうなると、改善にかかる期間が少なくとも3ヶ月から半年、場合によっては数年にわたる。

多くの場合、病院へ通院している期間が長いので、薬物投与を受けている。
時に、信じられないような多剤大量処方を受けている場合もある。
このような場合、慎重な対応をしないと、思わぬ結果を招くこともある。

また、なかなか思わしい結果が出ないので、途中離脱する人も少なくない。
次に述べるように、精神疾患を併発している人も多い。
そのため、結果を追わないことを心がけていても、施術者自身も疲弊する。

精神疾患の増加

うつや統合失調症、パニック障害や不安神経症など、精神疾患を伴う方が増えている。
精神科や心療内科へ通うが、症状がますます悪化しているという方が大半であり、必ずと言ってよいほど、複数の向精神薬を処方されている。

多くの場合、向精神薬に依存し、そこから離れられない。
服薬している以上、身体の自然治癒力が働きにくく、やはり改善は遅れる。

しかし、私たちに減薬や断薬の指導はできない。
幸いにも、減薬や断薬に成功していても、フラッシュバックという薬効成分再活性が生じる場合も少なくない。
このあたりの知識と対策は、しっかりしておくべきである。

年齢層の広がり

数年前は、30~40代の女性の来院が8割以上だった。
今も主要な客層であることに変わりはないが、来院の年齢層が広がっている。

特に増えているのが、子どもである。
私の整体院に限って言えば、新規客の約半分は中学生を中心とした子どもである。

主訴は「起立性調節障害」である。
この症状については、機会を改めて別の記事で詳しく解説したいと思うが、原因が本人だけでなく、ご家族や学校にまで広範囲かつ多岐に及ぶと、改善が難しい場合もある。
本人の意思で整体院を選ぶわけでもないので、それも難点のひとつである。

高齢者も、少しずつ増えている。
高齢者の場合、ほぼ例外なく薬物を多用しているので、これまた改善が困難だ。

自律神経整体を実践するために

自律神経整体の市場は、事実上無限大とも言える可能性がある。
では、その波に乗るにはどうすればいいか。
私が心がけていること、実践していることをお伝えしたい。

納得性の高い治癒理論を用いる

自律神経系疾患は、概ね改善や治癒に時間がかかる。
特に施術開始初期段階においては、ほとんど変化が感じられないことも多い。

真によくなるためには、時間が必要だ。
そのために、一定期間、整体院へ通っていただく必要がある。

そのような時に必要なのが、納得性のある治癒理論である。

あなたの症状の原因は何か、どうすれば治るのか、どれくらいかかるのか。
それを初回のセッションにおいて、わかりやすく伝え、お客さまに納得していただくこと。
まず、それが必要だ。

単一の理論と技術に絞り込む

当たり前のことながら、理論だけでは改善や治癒は望めない。
理論に基づく、確かな技術が必要だ。
その際、できれば、単一の理論と技術に絞り込みたい。

なぜ、単一に絞り込むのか。
それは、幅を広げるよりも、ひとつを深く掘り下げる、あるいは高く磨き上げる。
その方が、長い目で見ると、さまざまに有利だからだ。

現在、あまたある技術セミナーは、お金を払えば誰でも受講できる。
数日や数ヶ月でそれを習得しても、差別化にはならない。
最初は誰かから習うとしても、経験を積み、自分のものにして初めて“売り物”となる。

当たり前だが、自信をもって勧められる売り物があって、初めて商売ができる。
自律神経失調症の改善にあたっては、施術者の自信が改善に大きく寄与する。

それに、整体師は、零細個人事業であり、何もかも自分一人でやらねばならない。
そもそも多くの人に、対応できない。
だから、集客を自分が得意な症状や客層、つまり自分が自信をもって対応できる客層に絞り込み、彼らに全力投入する戦略をとるべきである。

人間力を磨き、高める

どのような症状であれ、症状の改善や治癒に欠かせないもの。
それは、お客さまと整体師の信頼関係である。

前述の通り、自律神経失調症は改善や治癒に時間がかかる。
中には、治らないことを整体師のせいにして、不満や怒りを口にする人やその家族もいる。
途中で離脱する人も、決して少なくない。

それらを乗り越えて、改善や治癒へと向かうには、信頼関係構築が必要不可欠である。
そして、信頼関係構築の基盤になるのが、整体師の「人間力」である。

では、人間力とは何か?

いろんな考え方、定義、表現があるだろう。
それを承知の上で、あえて私なりの考えを申し上げると、人間力とは、

「幸せを感じる能力」

と定義をしている。

生きている以上、ストレスは避けられない。
日常、困ったことや悩みは尽きないし、大きな災難に見舞われることもある。
思わぬ批判や非難を受けることもある。

どのような状況や環境でも、幸せを感じることができる能力を磨き、高める。
それは、人間の懐の深さ、心の大きさや穏やかさにつながる。
人が信頼し、尊敬の気持ちを寄せるのは、そのような人ではないだろうか。

最後に・・・哲学を持て!

私が、強く願うことがある。
それは、自律神経整体を単なる「流行りもの」に終わらせないで欲しいということである。

経営は、長く続けてこそ意味がある。
長期継続のために欠かせないのが、経営哲学である。

経営哲学は、経験を積むことで醸成され、想いと志を言語化することにより力を増す。

あなたは、なぜ自律神経整体に取り組むのか。
それは、自分、他者、社会にどのようなメリットをもたらすのか。
自律神経整体実践により、何を目指すのか。

それを問いかけ続けて欲しい。
自分なりの経営哲学を明確化して欲しい。

そして、自らが幸せになり、人と社会に貢献して欲しい。
そう願ってやまない。

自律神経の不調に自信を持って対応できますか?

私ども心身楽々堂は、2008年の開業以来、自律神経の不調専門整体院として、さまざまな症状で悩む方々と向き合って参りました。経験と実績を積み重ねる中で、自律神経不調の原因は、意外なところにあることを発見しました。さらに研究を重ね、独自の「自律神経整体」としてまとめ上げました。整体法講座門下生たちに伝授し、彼らが大きな成果を出していることから、私どもの自律神経整体には再現性があることを確認しています。その真髄を、一日かけてお伝えいたします。

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