【たいせつなこと】
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亡き整体の師匠である村松 幸彦先生の講義中の姿が撮影されている、とても珍しい映像です。先生は、絞り出すように、次のような言葉を発しています。
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「本当にね、技だけじゃないんですよ。心の中までちゃんと相談されて、対応できるような先生にならないと……難しいよ」
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私が初めて出会った時は、村松先生は某整体学校の副学院長という座にいて、技術から経営まで、研修生の指導を一手に担っていました。その整体学校は学費が300万円という破格ながら、北は北海道から南は沖縄県まで、全国からたくさんの人が学びに来ていました。
その後、事情があり、村松先生はその座を辞して、自分の名を冠した村松整体塾を立ち上げました。その時に、先生自身に大きな気付きと反省があり「治すだけ、稼ぐだけの整体師育成は、もう懲りた」と言っていました。
組織(学院)の縛りから解き放たれ、自由の身になった先生は、思いのたけを尽くすようになり、技術や経営だけでなく、心や生き方、目に見えない世界の講義が増えたように思います。
それだけでなく、個人的に話す際は、ロスチャイルドと金融の仕組みとか、鳥インフルエンザ流行などの話題が頻出するようになりました。当時の私は、それらがどう整体と関係するのか、さっぱり理解できませんでしたが、今となっては、よくわかります。
整体塾を立ち上げてわずか半年後に、村松先生は突然、この世を去りました。整体塾門下生も増え、塾運営が軌道に乗りつつあり、さあ、皆さんをこれまで以上に精一杯応援します!と言ってた矢先のことだったので、さぞかし無念だったことと思いますし、私は悲しみと失意のどん底に突き落とされた思いでした。
先生が亡くなる数日前、講義終了後の懇親会の際、トイレの小便器で並んで用を足していた時に、先生はとても優しい笑顔で「もう大丈夫だね、たのむね」と私に言いました。これ以外にも、自分の死を予感していたような言動がいくつかありました。そして先生の亡骸を目前にした時に激しく嗚咽が込み上げると共に「託された」という大きな衝撃がありました。
私は、村松先生の後継者ではありません。むしろ不肖の弟子であり、先生からは「ちっとも言うことを聞かない」とよく叱られました。実際、反発していたところもあります。ただ、先生がどんな地平を見ていたのか、何を伝えたかったのか、一例としてご紹介した映像に込められたような先生の思いは、よく理解しているつもりです。
知識、技術、ノウハウはとても大切です。しかし、それらはあくまでも道具です。道具を使う職人の心や生き方こそが、本当にたいせつだと私も思うのです。特に、いろんな面で起死回生が必要な今の時期は、私たち一人ひとりが人間的に成長し、霊性を高めることが極めて重要ではないかと思うのです。

