道場はわれを尽くせる場所でありたい

整体即人生、人生即整体

武術修行者としても有名な、俳優の榎木孝明さん。私ごときが申し上げるのは僭越極まりないが、プロ格闘家を相手にこれだけのことができるということは、相当お出来になる方だと拝察をする。俳優としての演技の深みや人間としての魅力は、武術探究と稽古が大きく寄与してるのではないだろうか。

筋力を使わないというのは、日本伝統の(古)武術の特徴のようであり、同じではないが、私も普段、大東流合氣柔術の道場にて「気配を消す」「力の拠り所を喪失させる」ことを目指して、地味な稽古を重ねている。ところが、これがなかなか難しい。頭でわかってはいても、できないのである。

言葉にすれば「脱力する」「意識を使う」という表現になるが、この二つは私が実践している自律神経整体(ゆるめる整体)の極意と重なる。昨日紹介した弟子である恭子先生が「反射の統合ワーク」というボディワークを学び、実践しているが、重複する部分がとても多いと感じている。

人体は、生命を守り、維持するために、「反射」と「学習」という二つの機能を備えているが、この二つによって固有の姿勢や動作が出来上がる。それが良い方へ働く場合もあるが、現代人の多くはそうではない方へ働いており、それが体の痛みや不調の原因となっている場合が非常に多いと考えている。

「修行とは、われを尽くすこと也。」

私が手解きを受けている大東流の師匠は、江戸初期の禅僧である鈴木正三の言葉を引用し、HP上でそのように表現されている。その意として「理を取るには先ず理を捨てる必要があり、その没我の先に理が姿を現す」と解釈されている。そして、ご自身の道場は「ここで学ぶ一人一人が日本の古流武芸に、われを尽くせる場所でありたい」と結んでおられる。

私も全く同様に考えており、私の整体道場もそうありたいものだと思う。いずれにせよ、日本伝統の武術と整体、生活や仕事において、日常的に没我の時間を持ち、そこにわれを尽くせることは、この上ない幸せなことであると改めて心から感謝する次第である。

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掌ひとつの革命
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