合氣道と整体

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【合氣道と整体】※要注意:かなり長文です

私は2008年、47歳の時に24年間勤務した会社を辞め、ゼロから整体を学び、独立開業したわけだが、決して整体師になりたかった訳ではない。それまで整体には全く関心がなかったし、受けたこともなかった。失礼な話だが、整体師は無資格者が医療従事者のふりをして女性の身体に触れる“いかがわしい仕事”というイメージすら持っていた。

一方で、私は幼い頃から暴力が大嫌いで、戦うことや競うこと、つまり喧嘩やスポーツが大の苦手だった。ただ常に“強くありたい”と願っており、武道には関心があった。だから剣道も、柔道も、空手道も、入り口までは行ってみた。しかし稽古(練習)風景を見て怖気付き、とても続ける気にならなかった。私には、暴力の現場にしか見えなかったからである。

そのような中、中学生の頃に何かで合氣道を知り、その神秘性に心を奪われ、これなら習ってみたいと感じた。しかし、近くに教えてくれる人も場所もなく、当時は音楽に熱中したこともあり、合氣道は少しずつ頭の中から消えていった。そして、合氣道が再び私の中に蘇ったのは、20代後半の頃、米国俳優スティーブン・セガール氏を映画で観たのがきっかけである。

ただ、当時の情報源は電話帳くらいで、近くに合氣道道場を見つけることはできなかった。そんな中、無料で配布されている地域情報誌で、自宅の比較的近所に私設の合氣道道場があることを知った。毎週日曜日午前中に稽古されていると聞き、早速見学に行った。とても穏やかな師範の人柄に安心し、その場で入門を決意した。30代前半のことである。

ところが稽古では、散々な目にあった。身体を動かすことから離れて随分と時間が経過していたので、思うように身体が動かず、受け身もまともに取れなかった。肩や背中や腰を強打し、横になれないくらいに腫れ上がったことも多々あった。最も基本的な技術である「体の転換」がまともにできるようになるまでに、数年かかった。

そんなダメダメ稽古生であったが、師範は見放すことなく、「西田さんは素直だ。だから続けてさえいれば、必ずできるようになる」と言って、辛抱強くご指導くださった。その言葉を信じ、地道に稽古を重ねた結果、5年もかかったが、初段を認めてもらった。黒帯を締め、袴を履くと、俄然やる気が出て、熱心に稽古に打ち込むようになった。

稽古を重ねていると、合氣道のことを深く知りたくなり、関連する本を読み漁るようになった。師範が「秘蔵本」を貸してくださったこともあり、合氣道開祖である植芝盛平翁が、どのような経緯で、どのような想いのもと合氣道を創設し、世界へ広めようとしたかを知り、ますます合氣道にのめり込むようになった。

それと同時に、合氣道の源流となる古武術と呼ばれるものに興味が湧き、現代社会において失われつつある日本の身心文化の奥深さを知るようになった。師範の許可を得て、大東流合氣柔術や古伝空手の道場にも通うにようになった。またその頃に、書籍上のみであるが、高岡英夫師、甲野善紀師、宇城憲治師に邂逅したことが、その後、私の人生を大きく左右することになる。

一方で、40歳に手が届く頃から、生活の糧を稼ぐためだけにサラリーマンを続けるという自分の生き方、働き方に大きな疑問を持ち始めた。そして、ついには心を病むようになった(心療内科でうつと診断された)。自己否定、自己嫌悪の塊のような人間になり、10年近く、毎日「死にたい、消えたい」と思いながら過ごしていた。それでも死なずに、休まず会社へ通い続けたのは、二人の息子の存在と、合氣道稽古のおかげである。

息子たちは、意識するしないに関わらず、常に父親である私の姿を見ている。だから絶対に死ぬわけにはいかない。またその頃に、合氣道で参段の允可をいただき、師範の補助として道場における指導的役割を任されたことが、生きる上での大きな支えになった。そのおかげで、心の病(うつ)は徐々に改善していった。しかし、将来に対する不安だけが重くのしかかっていた。

そんな折に出会ったのが、現在の生業である整体である。この整体に初めて触れた時に「合氣道と同じだ」と直感した。痛みや病と闘わず、調和するという精神性もさることながら、術理が同じだと感じたのである。『整体業界で年収2000万の成功法則』という整体学校の宣伝本に感化されたのも事実であるが、生涯かけて探究する道を見つけたからこそ、私は会社を辞めることができた。

前述の術理を解き明かす代表的な鍵が「支点・力点・作用点」を意識することである。私たちの整体施術は、なぜ優しい刺激を用いるのか。なぜ短時間で済むのか。添付した、岡本 眞先生の解説動画によって術理の理解が進み、技術の精度を高めていくための具体的な道が見えるようになった。岡本先生には心から感謝をしている。

さて、この三年間の世界的騒動のおかげで、軍事と医療がこの経済社会を動かす二大エンジンであり、武器・兵器産業を維持活性するために戦争が作られ、医療産業を維持活性するために病気が作られている事実を、多くの人が知るようになった。そして、この社会の延長線上には未来がないことを感じている人も、決して少なくないだろう。

もしかしたら合氣道開祖は、来るべき未来を予知していたのではないか。だからこそ、戦後、GHQが日本の全ての武道を一定のルールのもとで勝ち負けを競う、競技スポーツへと作り変える中で、合氣道は踊りだとか八百長などと揶揄されながらも、スポーツ化することを拒み、「自己修養と世界和合の道」として歩みを進めたのではないかと拝察をする。

合氣道と整体は、現代のこの危機的状況を乗り越えるための思想と実践を備えていると確信をしている。多くの先人たちが、命懸けでこの道を育て、守り、つないでくださったことに、心から感謝する次第である。だからこそ、さらにそれを磨き上げ、心ある方々と分かち合うことが、私の使命であり、生きる喜びの源泉だと改めて自覚をしている。この厳しく険しい道を、楽しみながら歩みたい。

整体読本「掌ひとつの革命」
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“心を使って人間という生命体を整える”、癒しの人間学「心整体法」の入門書。整体に興味がある方はもちろんのこと、生き方や働き方に迷いや悩みがある方に、ぜひお読みいただきたい整体読本です。もちろん、何をやっても治らない、頭痛、めまい、動悸、過呼吸、不眠、慢性疲労、自律神経失調症、起立性調節障害、不安障害、パニック発作、うつなど、原因不明の不快症状や心の病で苦しんでおり、わらにもすがりたい気持ちで、改善の道を探しておられる方にも、きっとお役に立てる内容だと思います。
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