【一流を育てる】
尊敬するお客さまから教えていただいた、この本。
感動し、心から共感した。
そのお客さまは、ある工務店の社長さんだ。
身体のメンテナンスのため、心身楽々堂に通ってくださっている。
そのお客さまは少年時代、丁稚として、大工の修行を始められた。
現場で、ひたすら技術と人間性を磨いて来られた。
経験と実績を重ね、ユーザや業者からの信頼をかちとり、ついには自分の工務店を興すにまで至られた。
仕事をする中で、現代日本の住宅行政と、それに乗じる住宅業者のおかしさに気付かれた。
本当の意味で、人や地域のためになる家づくりがされていない。
日本の伝統的な家づくりの技術や知恵は、本当に素晴らしい。
ところが、安全や快適という旗印のもと、これらがどんどん根絶やしにされつつある。
このままではダメだ。
素晴らしい伝統技術や精神を、後世に残さなくてはならない。
誰もやらないなら、自分がやるしかない。
妥協しない家づくりをするために、会社(工務店)を興された。
自然素材と伝統技術をふんだんに使い、住みやすく、長く使える家づくりをすることに、徹底的にこだわっておられる。
毎回、いらっしやるたびに、いろんなお話をうかがうのが、楽しみだ。
もし自分が家を建てるとしたら、絶対に、このお客さまの工務店にお願いしたいと思う。
そのお客さまが、先日お見えになった時に、次のようにおっしゃった。
少し前から、社員教育にお悩みであったようだ。
家づくりの仕事を心から愛し、誇りに思っておられ、かつ社員をとても大切にされているが、どうも社員にそれが伝わりにくいようにお見受けしていた。
「本当は、僕、社員を育てたいわけではないんですよ。自分で工務店やれるやつを育てたいんですよ」
そこで出たのが、秋山木工さんの話である。
代表の秋山利輝さんは、昔ながらの徒弟制度で、8年かけて家具職人を育て、独立させる。
そんな取り組みを、40年続けておられるそうだ。
そうやって、日本が世界に誇る家具技術を引き継ぎ、広め、残そうとされている。
会社の中にいたら、会社の中でしか通じない職人になってしまう。
そうではなく、社会に出て通用する、一流の職人を育てねば、本当の技術は残せない。
このお客さまは、いずれ秋山木工さんのような取り組みをしたいとおっしゃる。
素晴らしいと思う。
ぜひ、実現させて欲しいと思う。
それにしても、お恥ずかしながら、秋山木工さんのことは、初めて知った。
早速、本を買い求めた。
そのうちの一冊が、この本である。
私が、整体師を育てるのも、同じ想いである。
先達たちから伝承され、自分が磨いて来た技術と思想を手渡しで伝えたい。
厳しい世の中において、自分の身一つで生きていく術を伝えたい。
何よりも、私一人では、たくさんの人をみることが出来ない。
日本中にいる、心身の深刻な不調で苦しむ人のお役に立てる整体師を育てたい。
しかし、私から伝えられることは、たかが知れている。
仕事の難しさ、社会の厳しさ。
それらによって、技術は磨かれ、本当の意味で自分が育っていくのだと思う。
そうやって、一流の職人に育って欲しい。
地域社会のリーダーたる人財に成長して欲しい。
実は最近、整体法講座運営について、かなり悩んでいた。
そのためか、10円ハゲができた(笑)
やってることは、絶対に間違っていない。
社会から必要とされているからこそ、大きく経営を伸ばす門下生がいるのだと思う。
しかし、最近、入門者が途絶えてしまっている。
「生き方を学ぶ整体塾」なんて不器用で偏屈なやり方、もうやめてしまおうかと、弱気になっていた。
しかし、このお客さまの話を聞き、そしてこの本を読み、思い直した。
一流を育てる、本物を育てる。
たいへんだけど、そこから絶対に逃げてはならないと…
勇気と希望を与えてくださったこのお客さまに、そして秋山利輝さんに、心から感謝する次第である。
ありがとうございました。

