整体院へ来られる方を、なんと呼ぶか。
患者さんと呼ぶ整体師が、多いようだ。
厳密に言うと、私たち整体師は医療従事者ではない。
なので、私たちが患者さんと呼ぶことは、法的にグレーだ。
たとえその呼称が合法的だろうと、私は患者とは呼ばない。
患う者と決めつけているようで、嫌なのだ。
整体学校では「不調者」と呼ぶよう、教わった。
私の師匠も、ずっとそう呼んでいた。
しかし、私はこれにも、大いに違和感がある。
ニュアンスとして「犯罪者」に近いものを感じるのだ。
不調者と呼ばれて、気持ちのいい人はいるだろうか。
たとえ丁寧に“さん”を付けて、“不調者さん”って呼ばれても、何か気持ち悪い。
“犯罪者さん”と呼ばれているようで、ものすごい違和感がある。
不調も、犯罪も、その人そのものではない。
現在は不調の状態にある、あるいは罪を犯した、それだけのこと。
なのに、決めつけたように、不調者、犯罪者と呼ぶ。
私は、そこに違和感を感じるのだ。
不調者も、犯罪者も、呼ぶ側の都合による呼称ではないか。
私は、そう感じる。
呼ぶ側が、立場的に優位に立ちたい。
不調者や犯罪者という呼称には、エゴや傲慢さを強く感じてならない。