ここ数年で、整体院への子供の来院が急増した。
多くは「起立性調節障害」と呼ばれる疾患で学校へ行けなくなった、小・中学生(一部高校生)だ。
私は、学校へ行ける、行けないはあまり問題ではないと考えている。
「生きる力」さえあれば、学校などどうでもいい。
さらには、逆に学校が子供の「生きる力」を削いでいるような気さえしている。
そんな中、先日、霊気の先生からお勧めいただいたこの本。
「生きる力」の強い子を育てる。
著者は、元ソニーの取締役である天外伺朗さんである。
「生きる力」とは何か。
天外さんのお考えを、本文から抜粋する。
「生きる力」というのは、言葉を変えれば「自己実現に向かう力」だ。自分の能力を伸ばすとともに、それをいかんなく発揮し、思いを実現して社会の中で意義のある活動をし、自らの位置づけを獲得していく力だ。
さらに、天外さんは、次のように定義をされている。
生きる力の定義
1、大地をしっかりと二本の足で踏みしめて立つ力(アレクサンダー・ローエンのグラウンディングと言う概念、…自立心、足が地についている、外部の雑音や他人、世間の評価で信念が揺るがない…など)
2、自らを肯定する力
3、自らを常に磨く力
4、自己実現へ挑戦する力
5、意志の力
6、物事を前向きに解決する力
7、大自然を畏敬する心
8、全体の中で適切で調和的な立ち位置を確保する力
9、人生を楽しむ心
10、感受性、感性
11、独創力
12、決断力
13、好奇心
14、やる気
15、人間的魅力
16、積極性、行動力
17、バイタリティー
18、交渉力
とても共感できる。
では、子供の「生きる力」を育むには何をすれば良いのか。
この本にも色々書かれているが、私が何よりも必要だと思うのは、大人が自分の「生きる力」を育むことだと考えている。
今の社会を見よ。
自己実現など、とうに放棄した。
夢みたいなこと自分には関係ない、今がしのげればそれでいい。
あるいは、自己実現など考えたこともない。
そんな大人が大半を占める。
現状打破したいと思いつつ、結局は何も行動しない。
安全で居心地の良い日常にとどまり続ける。
そんな大人が「生きる力」の強い子を育てるなど、どだい無理な話である。
まずは大人から、自分から。
私たち大人が、自分らしく、自立して、自由に毎日を生きること。
言葉を変えれば、大人が輝いて生きること。
それがスタートだと私は考える。