これは、先日、門下生の一人から教えてもらった、画家 堀 文子先生の著書です。
昨日手元に届き、1時間かからずに、一気に読みました。
言葉の端々からうかがえる堀先生の生き様に、大きな感銘を受けました。
堀先生は、現在95歳です。
いまなお一人で生活され、創作活動を展開されているそうです。
以下、本文よりの引用です。
「この先、どんなことに驚き熱中するのか。私のなかの未知の何かが芽を吹くかも知れないと、これからの初体験に期待がわく。私にはもう老年に甘えているひまなどないのだ」
約半分の年齢の私たちが、恥ずかしくなるような言葉です。
それに、この国の高齢者は、たいへん失礼な言い方ですが、薬漬けになったり、パイプにつながれたり、寝たきりになったり、命を長らえるのがやっとという方がほとんどではないでしょうか。
この差は、いったいどこから生まれるのでしょうか。
いろいろ理由はあるでしょうが、先生のご著書のタイトルである「ひとりで生きる」がキーワードではないかと思います。
ひとりで生きるとは、堀先生の言葉をお借りすると「自由であることに命懸けで挑む」ということではないかと思います。
その覚悟と実践があるからこそ、鮮烈な感性を持ち続けられるのではないでしょうか。
もちろん、人は、一人では生きられません。
いろんな人に助けれられ、支えられ、様々な恩恵を受けて生きています。
しかし、
孤独に耐える覚悟をもって生きるかどうか。
自由であることに、命懸けで挑むかどうか。
誰かに頼り、馴れ合い、群れることが多い私たち。
心地はよいかもしれませんが、それでは自分自身も、大切な人も、平和も守れないのだと思います。
いま一度、自分の生き方を見直してみたいと思います。
抜き書きしたい一文ばかりですが、特に印象に残ったものをあと二つだけ、ご紹介します。
「素直に、嘘をつかず、正直に、一心不乱に生きていればいいのだと思いました」
「嘘をついたり、ごまかしたり、飾ったりしていると、自分の体のなかに自然があることがわからなくなってしまう。細胞もおかしくなるに違いない。嘘とつくと嘘の電流が体のなかに流れるんだと思います」
なつ紀先生、教えてくれて、ありがとう。