昨日、整体塾門下生の足立貴保先生が「みなさんで召し上がってください」と、有田みかんを送ってくださいました。
不揃いの大きさ、かたち、ごつごつした肌、分厚い皮。
ふだん目にするみかんとはずいぶん違う様子に、少し驚きました。
しかし、すぐに気づきました。
本来、これが自然なのだと・・・
ほぼ均一の大きさ、かたち、つやつやとした汚れのない肌、薄くて食べやすい皮。
それが、私たちがふだん目や口にするみかんです。
それらは品種改良され、農薬や化学肥料で効率よく育てられ、選別され、加工された結果でしょう。
食べて、身体によいとはとても思えません。
しかし、それを求めているのは他ならない、私たち自身なのではないでしょうか。
均一な品質で、扱いやすく、見た目がよく、美味しいもの。
私たちは、それを求めます。
求められるものを、求める人に、いつでも、どこでも、安く、早く提供する。
それを市場に要求し続けています。
さらには、ものだけでなく、人にもそれを求めます。
個性を伸ばすとは口先だけで、扱いやすく、見た目がよく、均質な人間を人間を育てることが、教育の至上命題です。
人と違うことは、排除したり、避けようとします。
これらの結果が、現代社会です。
化学物質をふんだんに含んだり、遺伝子組み換えをされた食物。
個性を押し殺され、窮屈な境遇を当然のこととして受け入れ、惰性で生きる人間。
それらが、社会の大半を占めるようになりました。
政治が悪い、企業が悪い、社会が悪い。
私たちは口々にそう言います。
しかし、本当にそうでしょうか。
いや、違う。
彼らは、私たちが求めるものや制度を提供しているに過ぎない。
私は、そう思います。
私たちが変えられるのは、自分の心、行動です。
まずは自分の求める心、それに向き合っていかねばと思います。
そして、行動、生き方を変えます。
それにしても、いただいたみかんは、本当に美味しかった。
ああ、こんな味だったと感じました。
足立先生、温かい心遣いに、心から感謝いたします。
ありがとうございました。