反省は、必要だ。
しかし、無理に反省させるのは、逆効果である。
これは、長年に渡り、教育、犯罪者や受刑者の更生支援に携わってきた著者の渾身の訴えだ。
反省を求める教育や社会の常識。
著者は、それが、犯罪の増加や再発の根源ではないかと問題提起をしている。
さらには、多くの人が心を病むのも、同根だと言う。
ハッと気付かされた。
たいへん納得した。
実は、自分も同じように考えていたことに気付いた。
心が晴れ、希望が見えた。
「健康を強制すると病人になります」
必要なのは、人間を知ること。
自然を知ること。
自分に向き合うこと。
内発、自発を助け、見守ること。
それが面倒だから、対症療法に走る。
病気を治し、痛みをさっさと取るのを善とする。
医療も代替療法も、病人を増やすことに加担している点では同じだ。
大半の人は結果や手段ばかりに目を向け、根底に横たわる問題には触れようとしない。
まず、気付いていない。
たとえ気付いても、関わろうとしない。
面倒だからだ。
あるいは、異端になることを恐れるからだ。
何よりも、お金にならないからだ。
親や教育者はもちろんのこと、医療や代替療法に携わる人にも、ぜひ読んでいただきたい一冊である。
本書を御紹介くださった山城美智先生に、心より感謝いたします。
ありがとうございました。