白秋期

仕事について

大好きな作家、五木 寛之さんの近著「白秋期」。
一気に読んだ。

人生には、季節がある。
言葉で表せば、青春、朱夏、白秋、玄冬となる。

人類は今、人生百年というかつてない時代を迎えようとしている。
その中で、白秋期は50〜75歳くらいをさす。
五木さんによると、この時期は人生の黄金期であるそうだ。

人生の収穫期であるこの白秋期をいかに過ごすか。
今や、全ての人にとって、大きな課題である。
前例がないからだ。
同著の副題通り「地図のない明日への旅立ち」なのだ。

サラリーマンは、60歳前後で定年を迎える。
年金は減額されるばかりか、75歳からの支給になる可能性すらある。
忍び寄る老化と衰え、各種疾患。
子どもは巣立ち、配偶者と別離(死別・離婚)する可能性もある。
そもそも結婚しない選択をする人も増えている。

課題は、3Kで表現される。
経済、健康、孤独。
この三つに対し、いかに向き合い、折り合いをつけるか。

答えはない。
だが、同著の中で、五木さんは次のように述べている。

身も蓋もない結論ですが、自分で考えてやっていかないと仕方ありません。自立の意識を持ち、しっかりした足取りで、自分なりのポリシーを持って、元気に生きていくと言うことが、目下、白秋期の人びとの最大の課題ではないかと思います。

澄んだ気持ちで自分とむきあい、これまで封印してきた自己を実現する。そこにあらゆる可能性が生まれる、と私は考えます。

私は無理を承知で、50歳手前で脱サラし、整体で起業した。
結果的に、今、3K全てに答えを出すことができる。
本能的に時代の流れを察知して行動したのだと、我ながら感心する次第である。

以下、同著のまえがきより引用させていただく。
ぜひ自分ごととして読んでみて欲しい。

人生五十年と言われた時代があった。そのころ、青春、朱夏につづく白秋期は、晩年の少し手前の、おだやかで静かな季節のイメージだったと思う。
仕事や、家庭や、さまざまな社会的活動から身を引いて、これまでの人生をふり返る時期と考えられていたのである。
しかし、今はちがう。人生百年と言う言葉は、すでに目前にせまっている現実だ。五十歳を過ぎて、さらに五十年の明日が待ちうけている。それは人間の歴史はじまって以来の出来事である。
その未来に地図はない。私たちは手さぐりで、さらなる五十年を生きなければならないのだ。
人生を、青春、朱夏、白秋、玄冬の四つの時期に分けて考えれば、白秋期とは五十歳から七十五歳あたりまでの二十五年間である。その季節を私たちはどう生きるのか。
白周期は晩年ではない。フィジカルにはさまざまな問題を抱えていたとしても、今の五十歳から七十五歳まで時期は、むしろ人生の収穫期ではないかと、私は思う。
無駄なエネルギーを消費せずに、合理的に冷静に歩いていく。周囲を眺める余裕もある。さまざまな経験もつんでいる。そして新しい物事を学ぶ気力や好奇心も衰えてはいない。
自分自身をふり返ってみても、五十歳から七十五歳までの白秋期は最も自分らしく生きることができた最良の季節だったような気がする。

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