死ぬほど欲しかったもの

仕事について

この時期になると、思い出します。11年前、2008年7月。私は24年間勤務した会社を辞めました。無難でそこそこの人生に満足し、臆病で人と違うことするのが極度に苦手な自分が定年前に退職するなど、信じられないことでした。
 
当時、上の息子は高一、下の息子は中二。これから進学や受験などで、いくらでもお金がかかる時期です。多額の住宅ローンも抱えていました。それでも、比較的大きな企業に勤務していたので、税込年収が1000万円前後あり、何とかなってました。だかは、それを手放すのは、とても怖いことでした。
 
それでも、私は会社を辞めました。なぜなら、死ぬほど欲しかったものがあったからです。それは、一言で申せば「自由」です。
 
ただし、お金の自由とか、時間の自由ではなく、私は「心の自由」が欲しかったのです。組織に縛られ、言いたいことも言えない。やりたくもない仕事に、生きる時間の大半を費やす。本音と建前を使い分け、付き合いたくもない人たちとうまくやっていく。そんな生活に、疲れ果てていました。
 
嘘と誤魔化しと言い訳に満ちたサラリーマン生活、義務感と恐怖と不安に苛まれる毎日(もちろん私にとってという意味であり、サラリーマンを否定しているのではありません)。自分の人生、これでいいのか。定年になった後、自分に何が残るのか。老後、自分はどうやって生きていくのか…そこには絶望しかありませんでした。自分には生きる価値がない、本気で消えてしまいたい、人生を終わらせたいと思っていました。
 
そんな時に、私はそれまで全く関心のなかった整体に活路を見出しました。自分の身ひとつで人さまのお役に立ち、喜んでいただき、社会に貢献できる。毎日、自分が大好きな仕事をし、そのために大好きなことを勉強し、自分を磨き、高め、心から信じられる道を歩む。少し頑張れば、サラリーマンを大きく超える収入を得ることもできる。
 
それまで夢のまた夢だと思っていたことが、実現可能なものとして目の前に差し出されたら、誰だってどんなことをしてでも手に入れたいと思うでしょう。だから私はそれに飛びつき、無我夢中で取り組んできました。人に言えないような苦労や辛さを味わってきましたが、それでも何とか10年を乗り越えることができました。導いてくれた天と、支えてくださった人たちに、深く感謝をするばかりです。
 
生きる上で、最も大切なこと。それは、自分を大切にすること。自分が本当に何を求めているのか。どんな生活を送りたいのか。どんな人生にしたいのか。死ぬほど欲しいものは何なのか。心の声を聴いて、素直にそれに従うことではないかと私は思います。
 
身をゆるめることは、そのための大きな手助けになります。そして、それが実現できるから、私は整体の仕事が大好きだし、一生をかけて究め続けたいと強く思うのです。

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“心を使って人間という生命体を整える”、癒しの人間学「心整体法」の入門書。整体に興味がある方はもちろんのこと、生き方や働き方に迷いや悩みがある方に、ぜひお読みいただきたい整体読本です。もちろん、何をやっても治らない、頭痛、めまい、動悸、過呼吸、不眠、慢性疲労、自律神経失調症、起立性調節障害、不安障害、パニック発作、うつなど、原因不明の不快症状や心の病で苦しんでおり、わらにもすがりたい気持ちで、改善の道を探しておられる方にも、きっとお役に立てる内容だと思います。
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