昨夜、久しぶりに次男と夕食を共にした。
彼は今年、ある企業に採用された。
私なら絶対に選ばないであろう激務を、彼は選んだ。
半年以上の研修を終え、この12月からいよいよ本務に就く。
口には出さないが、大いに不安だろうと思う。
息子よ。
大いに社会の荒波にもまれなさい。
数々の苦難、理不尽さ、不可解さに直面しなさい。
孤独に耐えなさい。
困窮し、悩み、苦しみ抜きなさい。
全てが、君を成長させくれる糧である。
それは、豊かな恵みである。
感謝して、受け取りなさい。
報いなさい。
力の限り、いや限界を突破して頑張りなさい。
どんなに頑張っても、どうしようもない時もあるだろう。
力尽き、前へ進めないこともあるだろう。
望みをなくし、もう何もする気が無くなることもあるだろう。
そんな時は、大きな空を見上げなさい。
この空がある限り、どんなことをしても生きていけることを知りなさい。
そして、這いつくばってでも前へ進みなさい。
それでもダメだったら、さらに頑張りなさい。
どう頑張ってもダメだったら、さらに、さらに、頑張りなさい。
それでも本当にダメだと思ったら…
私の元へ帰ってくるがいい。
しかし、覚悟せよ。
世界一厳しい修行を、君に課すから。
いずれにせよ、かけがえのない君の人生だ。
君が進む船旅だ。
大いに楽しみなさい。
大いに笑いなさい、泣きなさい。
叫びなさい、考えなさい。
歌いなさい、踊りなさい。
恐怖、不安、歓喜、快楽、憤怒、悲哀。
すべてを味わい尽くしなさい。
好きな女性が現れたら、迷わず愛を告げなさい。
全身全霊を傾けて愛しさない。
できることなら、この世界に新しい命をもたらしなさい。
絶対に忘れてはならない。
私は、いつも、どこでも、どんなことがあっても、君と共にあることを。
共に進む同志であり続けることを。
だから、安心して大海原へ漕ぎ出しなさい。