生きることの奇跡

ご縁のあった人たち

冒頭の写真と、下記リンク先のYouTube動画で話をしている長澤 靖浩(ながさわやすひろ)氏は、私の高校時代の同級生である。ただ私の記憶で申し上げると、在学中はほとんど付き合いはなく、名前と存在は知っているという程度であった。

それもそのはず。私が熱心だったのはトランペットと女子のお尻を追うことだけという子どもじみた頃に、彼は新聞部を乗っ取って高校の制度改革をしようと試みたり、瞑想同好会を作って精神世界の探究を始めていたらしい。要は、住んでる世界が違ったのである。

その長澤氏は、今から10年前の2013年2月に、心室細動という心臓発作を起こして昏倒し、13分間心肺停止状態となり、その後10日間にわたり自発呼吸ができずに昏睡し続け、奇跡的に生還するという経験をしている。

その時に臨死体験をしたそうだが、私が彼と35年の時を経て再会したのは、たまたまFacebookでその事実を知ったのがきっかけだった。整体という生業を通じて、人間や命を深く探究する身となった私は、臨死体験の話を詳しく聞きたくなり、彼とコンタクトを取り、2014年の11月に彼を招き講演会を開催した。

彼の実体験に基づく一連の話は衝撃的であり、それを機に私の死生観は大きく変わり、かつ明瞭になった。あれから10年、彼は後遺症としての障碍と向き合いつつ、自分の臨死体験を丁寧に振り返りながら、さまざまな角度や分野から検証・考察を加えて、言葉や表現を慎重に選びながら執筆し、今年、本を上梓した(次のリンク先から購入可能 https://bookscope.thebase.in/items/77223148)。

それが『十三分間、死んで戻ってきました』であるが、10年前の話と比べると、格段に詳細で客観的に、かつ伝わりやすく、多様に臨死体験が語られている。彼がこの本を通じて最も伝えたいことは「生きることの奇跡」だそうだ。私も仕事柄“生きていることは奇跡だ。だから命を大切にしよう”と口にするが、納得性と迫力は、彼の実感を伴った言説には到底及ばない。

生きることと、死ぬこと。それは本来切り離すことのできない、一体のものである(100%誰もが必ず死ぬ)。しかし現代を生きる日本人は、死を不吉なもの、不幸なものとして遠ざける傾向がある。そのことが、現代社会に生じている様々な問題や歪みにつながっていると感じてならない。

まずは9分間の動画、ぜひ視聴して欲しい。そして、1月に予定している長澤氏と私のオンライン対談(Facebookの『風の時代を生きるために』コミュニティで開催予定)、さらに2月に予定している彼のリアル講演会(心身楽々堂で開催予定)に参加して、彼の話に耳を傾けて欲しい。できれば対話を通じて、自分の命に向き合って欲しい。

よりよく生きるための第一歩は、自他の命の尊厳を守ることではないかと私は思う。命の尊厳を守るための基盤となるのは、個々の死生観ではないだろうか。「生きることの奇跡」を実感と渾身の思いを持って語る彼の話は、それぞれの死生観を育む大きなヒントやきっかけになると思う。

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“心を使って人間という生命体を整える”、癒しの人間学「心整体法」の入門書。整体に興味がある方はもちろんのこと、生き方や働き方に迷いや悩みがある方に、ぜひお読みいただきたい整体読本です。もちろん、何をやっても治らない、頭痛、めまい、動悸、過呼吸、不眠、慢性疲労、自律神経失調症、起立性調節障害、不安障害、パニック発作、うつなど、原因不明の不快症状や心の病で苦しんでおり、わらにもすがりたい気持ちで、改善の道を探しておられる方にも、きっとお役に立てる内容だと思います。
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