大地に張りつく生き方

一燈を提げて暗夜を行く

【大地に張りつく生き方】

最近、最も大きな衝撃を受けた人物、中村 哲医師。
その著書「医者、用水路を拓く」。
読書途上だが、私たちがどういう生き方を選ぶべきか、とても考えさされる。

私は、自分が虚構を構成する一部であることは自覚しつつも、架空と現実を峻別し、中村医師のおっしゃる「大地に張りついて生きる」ことを選ぶ。

命とは。
生きるとは。
人間とは。
幸せとは。
豊かさとは。
平和とは。

日本にいる医師たちが、これらの問いに真剣に向き合い、中村医師のように「大地に張りつく生き方」を選んでくれたら、社会は大きく変わるだろう。

しかし、望んでも仕方のないことは、望まない。
自分がどう生きるか、それだけだ。

以下、本書あとがきから印象的な部分を抜粋する。

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 アフガニスタンでは、「カネがなくても生きてゆけるが、雪がなくては生きられない」ということわざが、一言で国民の生活、文化、社会のあり方を表している。「雪」とはヒンズークシュ山脈にあって、人々に水を供給する巨大な貯水槽のことである。水は日光によって植物を育て、それを人や動物が食べる。水と緑は、文字通り無から有を生む富の基盤である。これが明瞭な世界が、アフガニスタンである。社会全体が、自然と一体となった農業国の色彩が強い、意識せずに伝統を重んじ、大地に張りついて生きる様は、昨今流行りの「グローバリズム」とは対極にある。
 しかし、今世界を見渡せば、「雪(水と自然)はなくなとも生きられるが、カネがなければ生きられない」という思い込みが支配しているように思えてならない。そこでは、少しの株価の変動が世界を揺るがし、パソコンのキーひとつで莫大な富が動く。営々と築かれた技術や生産活動も、買収というカネの操作で一朝にして支配される。そうして得られる「富」とは、しばしば架空である。怖いのは、架空が現実を律し、人間の生産活動や思考を自然から遊離させ、非現実が現実と錯覚されることである。「グローバル・スタンダード」の名で、地域の特色や文化が失われ、違いを許さぬ狭量な風潮と短絡な思考が人々を支配する。

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