3年くらい前からだろうか。
私の整体院では、中学生を中心とする子どもの相談が急増した。
ほぼすべてが「起立性調節障害」という疾患だ。
朝、起きれない。
起きてもふらつく、頭痛がする。
身体がだるい、しんどい。
お腹が痛い。
やる気が出ない、何もする気にならない。
学校へ行けない。
起立性調節障害は、自律神経失調が主な原因となり、生じる。
これに異論を持つ人は、少ないだろう。
専門クリニックも出現している。
大阪のとあるクリニックには、全国から年間800名も相談に訪れるそうだ。
そのクリニック院長先生は、著書も出されている。
しかし、専門クリニックといえど、現代医療。
話を聞いていると、あくまでも対症療法の域を出ない。
治療の主流は、薬物投与だ。
どのようなものであれ、薬物は身体の営みに大きな影響を及ぼす。
成長期という重要な時期に、薬物を投与し続けることがいかなることか、少し考えればわかることだ。
食事療法や生活指導をするところもある。
しかし、どこも肝心要のことを見逃してしまっている。
肝心要のこととは、
「骨格筋の慢性疲労と過緊張」
である。
これらが、自律神経失調につながるのである。
この事実を知る人は、あまりいない。
正しい解決策を知る人は、さらに絶望的にいない。
骨格筋の役割は、姿勢を維持し、動作を実現するだけではない。
生命維持活動の根幹である、体液循環と呼吸活動を担う。
そして、これまた生命維持活動の根幹を担う自律神経発動の鍵でもあるのだ。
骨格筋は、使ったら疲労する。
しかし、使わなさ過ぎても疲労するのである。
その事実も、ほとんど知られていない。
身体の健康は、すべての基本である。
そして、健康の要は、骨格筋と自律神経が正常に働くこと。
私は、そう考えている。
起立性調節障害は、病気ではない。
一時的に、そのような状態に陥っているに過ぎない。
適切な対処をすれば、必ず元へ戻る。
そのためには、子どもの生命力を信じ、それに委ねることだ。
12月23日(祝)に、自律神経整体ワンディセミナーを開催する。
治療家向けに企画したものだが、カウンセラーなど、起立性調節障害の子どもに関わる方々にも、聴講いただけたらと願う。
関心のある方は、ぜひ問い合わせて欲しい。
成長期や思春期をどう過ごすかにより、人生は大きく左右される。
未来ある子どもたちに、自分は病気だという思い込みは、絶対に持たないで欲しい。
逆に、自分の内にある力強い生命力と、無限の可能性に気づいて欲しい。
私たち大人は、愛をもって、全力で子どもを守らねばならない。
子どもを守ること。
それは未来の社会を守ることに他ならないのだから。