当院のお客さま、30代女性からうかがった話である。
彼女は、20代の頃から、15年以上、片頭痛に悩まされてきた。
市販の頭痛薬でしのいでいたものの、そのうち、まったく効かなくなってきた。
6年前から、頭痛専門外来のあるクリニックに通院を開始した。
その医師から、彼女は次のように言われたそうである。
「あなたの頭痛は、一生治ることはない」
薬で痛みをコントロールする以外に方法はない。
医師は、そう断言したそうである。
いかがだろうか。
頭痛専門の医師からこのように言われたら、どのような気持ちになるだろうか。
自分は一生このままなのか、と絶望しかねない。
頭痛ごときで大げさな、とお思いの方もあるだろう。
それは、頭痛の本当の辛さをご存じない方だ。
誰でも、頭痛が起きることがある。
私も、ごくたまにある。
酷い時は、何もする気が起こらない。
それが、毎日、ずっと続くとなるとどう感じるだろう。
そして、医師から「一生、治ることはない」と宣告されたら・・・
その女性は、医師に言われるまま、6年間そのクリニックに通い続けた。
月に1回、薬をもらいに行くためだけに。
そして、次第に薬が増えて行き、さすがに危機感を覚え、他の解決法を探した。
そして、私の整体院を探し当て、訪ねて来られた。
まさに、藁にもすがりたい気持ちだったそうだ。
初来院の時、彼女が服用していたのが、次の薬だ(頓服を含む)。
デパケン
トリプタノール
ゾーミック
ボルタレン
胃薬(名称不明)
一部、劇薬指定のものもある。
これだけのものを飲み続けて、よく無事だったと驚く。
薬は人類の叡智であり、私たちの生活に必要不可欠なものである。
しかし、使い方を誤ると、たいへんなことになる。
ちなみに、米国の医師の心得集「ドクターズルール425」には、次のように記載されている。
<173>4種類以上の薬を飲んでいる患者についての比較対照試験はこれまでに行われたことはなく、3種類の薬を飲んでいる患者についての試験もほんのわずかしか行われていない。4種類以上の薬を飲んでいる患者は医学に知識を超えた領域にいるのである。
There are no controll studies of patients taking more than four drugs and very few of patient taking three.Any patient on more than four drugs is beyond medical science.
つまり、この頭痛専門医は、自分では対処できないであろう結末を招く可能性をもった処方をしているということだ。
ハッキリ言って、無茶苦茶である。
狂っているとしか、思えない。
そしてこのような医師は日本では決して珍しくなく、むしろ大勢を占めるだろう。
残念ながら、これが日本の医療の実態だ。
怖ろしいことに、連日、非常にたくさんの人が、このような医師の元へ通っているのが現実だ。
さて、この女性は、約3ヶ月、13回の施術を受けた時点で、日常的な頭痛は治まった。
薬は基本的に手放し、業務に差し支える時のみ、服用する。
服薬の回数は、月に1回あるか、ないか。
そして、現在も月に1回、身体をゆるめるために通って来ている。
その甲斐あって、なかなか治まらなかった生理中の頭痛も、鎮静してきている。
本記事中でご紹介した「ドクターズルール425」、とてもよい本だ。
整体師やセラピストのみなさんはもちろん、一般の方にもぜひお読みいただきたい。
ただし、残念ながら絶版になっているようだ。
アマゾンでは中古本しかなく、びっくりするような高額で売られている。