私が、整体法講座(現在は整体塾)の門下生たちに伝えていることです。
道具は、職人にとって命ともいえる大切なもの。
しかし、よい道具を持っているから、よい仕事ができるわけではない。
道具は、あくまでも道具であり、手段である。
たとえば、日本刀。
本物の真剣の斬れ味は、それはそれは凄まじいものです。
しかし、それを使いこなすには、心身の鍛錬が欠かせません。
ましてや、戦地において、剣ひとつで命が守れるレベルに達するのは、相当な時間がかかるはずです。
また、良い道具であればあるほど、使い手を選びます。
切れ味の鋭い真剣は、下手をすると自分や、意図しない者を傷つける可能性もあります。
整体の技術も、それと同じです。
よい技術を身につけるに越したことはありません。
しかし、よりよい技術を追い求めるばかりでは、結局は何も身につきません。
確かな道具を手に入れたら、じっくり腰をすえて、心身の鍛錬をする。
きちんと道具を手入れし、ピカピカに磨き上げ、常に最高の状態で使えるようにする。
そのような取り組みが、大切と考えています。
今日から三日間、基礎講座(2)を開講いたします。
そのあたりの大切なことを、ぜひお伝えしたいと思います。