「ここへ来て、本当によかったです」
お客さまに、そう言っていただけること。
整体師として、これほど嬉しいことは、ありません。
昨日、そう言ってくださった、20代の女性。
責任と誇りを持って、懸命に、自分の仕事に取り組んでおられました。
しかし、過剰な激務は、彼女の心身を蝕みました。
激しい頭痛や目の痛み。
立っていられないほどの酷いめまい。
日夜関係なく襲ってくる、言いようのない不安感。
動悸や、息苦しさ。
さまざまな不快症状に悩まされました。
それでも、彼女は頑張って仕事を続けました。
しかし、力尽きました。
度々、襲ってくる激しい発作。
ついに、仕事が出来なくなりました。
休職をして実家へ戻り、静養。
あるゆる診療科を巡り、検査を受けるも、異常が発見されない。
いったい自分はどうしてしまったのだろう。
どこが悪いのだろう。
病院へ通っても、なぜ治らないのだろう。
さらに、不安が募ります。
そんな中、藁にもすがりたい気持ちで、私の整体院へやって来られました。
それから、約2ヶ月。
途中、山あり、谷ありでしたが、見違えるほど元気になりました。
その結果、出てきたのが、冒頭の言葉です。
しかし、この言葉は、不快症状が治ったからではないのです。
いのちの声に耳を傾けること。
いのちの力に気付くこと。
いのちのかけがえのなさに目覚めること。
治癒のプロセスにおいて、彼女はその大切さに気付いたのでしょう。
だから、出口の見えない不安や絶望から、自らの力で脱することができた。
今までの自分とは違う、もう大丈夫と思えたのでしょう。
その思いの発露が、ここへ来てよかったという言葉だと思います。
いかなるものであれ、痛みやつらい症状は、災難ではありません。
それまでの生活や人生を見直したり、自分の成長を助ける絶好の機会だと私は考えます。
そこに、微力ながら関わらせていただくこと。
その方に寄り添い、気付きや成長のお手伝いをさせていただくこと。
それが、私たち整体師にできる精一杯のことと考えます。
だから、冒頭のようなお客さまの言葉は、本当に嬉しい。
この仕事をやってて、よかった。
吹けば飛ぶちっぽけな整体院が、とても誇らしく、愛しく思える瞬間です。
いつもありがとうございます。