サラリーマン大国=世界一命の軽い国

社会について

台風15号の影響で、千葉県の広域に渡って甚大な被害が出ているそうです。電気や水道などのライフラインを絶たれた人たちが、膨大に存在する状況のようです。これは、酷暑の中、命に関わる重大事です。たとえライフラインが復旧したとしても、ガレキの処理や住まいの補修を考えると、気が遠くなるほど苦しい時期が続くと思われます。
 
https://yugaswiftly.com/life/victim-typhoon/
 
上記リンク先のブログ記事は、実際に被害に遭われたライターの方が実感を綴っておられるものです。彼によると、被災者がまず望むことは「知ってほしい」「知らせてほしい」ということ。知ることなしに、援助も支援もできないからです。多くの人に知られないと、被災地や被災者に届く、大きな力にはならないからです。
 
ところが、昨日のテレビ番組では、改造内閣と新入閣した特定議員の話題が目立ち、千葉県の被害状況に関する報道は、あまり見られませんでした。両方とも重要な話題かもしれませんが、今、最優先すべきは危機に瀕している多くの命を救うことであるはずです。そのような非常時に、日本において最も「知らせる」力のあるテレビが、なぜ本来の機能を発揮しないのでしょうか。
 
最大の原因は、仕事に従事する大半の大人が「サラリーマン」であるからだと私は考えています。サラリーマンは、基本、組織や上司の命令に従います。それ自体は悪いことではない(むしろ必要なこと)ですが、時として「おかしい」「それは違う」「やるべきではない」と感じたことでも、従わざるを得ないことが頻繁に起こります。良心や信念よりも、保身を優先するからです。
 
保身は生命維持のために必要不可欠なことです。人間である以上、誰もが行うことです。しかし、現代の日本は保身が行き過ぎていると感じます。政治家も、公務員も、会社員も、アルバイトやパートタイマーも、大半の大人が、良心や信念や倫理観を喪失し、感性や思考力を極限にまで鈍化させ、「自分だけ」「お金だけ」「今だけ」を後生大事にする、人間の心を失ったロボットのようなサラリーマンばかりになってしまった。
 
その結果として、現代日本は、世界一命が軽い国に成り下がってしまったように感じます。犯罪、暴力、難病奇病、いじめ、引きこもり、自殺、環境汚染、自然破壊など、あらゆる社会問題の根幹は、ここに行き着くと思います。さらには、本来は自由であるはずの起業家や個人事業主でさえ、同調圧力に屈し、目先の利益のみを追い求める「自分だけ」「お金だけ」「今だけ」のサラリーマンのようになっていると感じます。
 
本来、仕事とは、お金を得る手段ではありません。仕事とは、人に仕えることであり、社会に仕えることであり、さらには神に仕えることだと私は考えています。私たちは、人生における多くの時間を仕事に費やします。それはきっと、人間は、仕えること、尽くすことによって生命を躍動させ、生きる喜びを感じ、成長していくからでしょう。
 
だから、自分はどんな仕事を選び、何のために仕事をするのか。たとえ対価が得られずとも、自分が心から信じ、生涯かけて取り組みたい仕事とは、何なのか。それは、どんな人生を送るのかに等しい問いかけではないかと思います。だから、ビジネスマンであろうが、主婦であろうが、誰もが真剣に問うべきことと考えています。全ての人が、その問いに納得のできる答えを導き出せば、社会は変わっていくと思います。
 
何よりも、千葉県の状況が広く知れ渡りますように。必要な人、必要な場所に、必要な助けが滞りなく届きますように。心から願うばかりです。

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