先日、たまたま見たテレビ番組での特集「遊べない公園」。現在、禁止事項の看板だらけという公園が増えているようだ。以前より、大いに問題に感じていることでもあったので、記事としてまとめてみたい。
増える子どもの来院
私の整体院では、7年ほど前からお子さまの来院が目立つようなってきた。ここ数年は増加の一途であり、現在は、新規のお客さまの約半分が、中学生、高校生、小学生である。
代表的な“病名”で申し上げると「起立性調節障害」である(本当は病気でも何でもないのだが)。症状としては、朝起きれない、夜眠れない、頭痛や腹痛がある、ふらつく、身体がだるい、動悸や息切れがする、勉強に集中できない…などなど。
症状が進行すると、学校へ行けなくなる。中には、何年にもわたって不登校になる子もいる。最近は、起立性調節障害専門のクリニックや受診科もあるようだ。しかし、それらを受診しても施されるのは薬物投与などの対症療法一辺倒であり、決して改善はされない。
起立性調節障害という“病気”
多くの場合、医師は「大人になれば自然に治る病気だから…」と告げるらしい。それを耳にした親子はどう思うか。原因不明の病気になってしまった…と感じるようである。そして、大半は、病気だから仕方がないとあきらめ、病人として青春時代を過ごす選択をするのである。
しかし、ごく一部だが「そんなはずはない、最近まであんなに元気だったじゃないか」と考え、必死で解決策を模索する親もいる。その人たちの一部が、整体のような、医療以外の方法を検討する(ちなみに、私の整体院の実績で申せば、1〜6ヶ月で完治することがほとんどである)。
ほとんどの場合、起立性調節障害は、自律神経の不調が原因である。そして、自律神経が不調に陥る大きな原因は、筋肉の慢性疲労と過緊張である(→ほとんど知られていない事実)。では、なぜ、最近の子どもはそのような状態に陥りやすいのか。
見過ごされている本当の原因
今回取り上げる「遊べない公園」は、代表的な遠因の一つだと私は考えている。つまり、最近の子どもは、幼少期において、身体を使った遊びを存分にしていない。それゆえに筋肉が未発達となり、それが思春期の不安定さと重複して、これらのような症状を発生させる、と考えている。
自分の幼少期を振り返ると、私は比較的大人しい子どもであったが、それでも外で遊ぶことが多かった。ボール遊びや縄跳びや鬼ごっこ、ジャングルジムやブランコなどの遊具。それらが存分にできる環境があった。大声で笑い、叫び、泣きながら遊んでいた。
さらには、砂場で泥だらけになって遊ぶことも多かったし、山や田んぼがそばにいくらでもあったので、虫や爬虫類などを素手で触っていた。いわば雑菌まみれだったのだと思う。最近の都会における整った環境からは、考えられないだろう。
社会の未来に関わる重要な問題
快適で安全な生活環境が、一方では子どもたちの「生命力」を壊滅的に弱めていることに気付くべきだと思う。私たち大人は、スポーツで鍛えられる体力とは違う次元の「生命力」に目を向けるべきであり、それを覚醒させることを真剣に考えるべきだと思う。
未来の社会を担うのは、子どもたちであることは、いつの時代も絶対に変わることのない事実なのだから。