私は、昔から、なぜかお地蔵さんに強くひかれる。町や旅先で気にとまったものがあれば、かなり高い確率で買い求める(高価なものは買えないが)。そうやって集めたものが、整体院のあちこちに置いてある。
wikipediaによると、地蔵とは「大地が全ての命を育む力を蔵するように、苦悩の人々を、その無限の大慈悲の心で包み込み、救う所から名付けられたとされる」とのこと。私が心ひかれる理由は、まさにここにあると思う。風雪に耐え、市井にひっそりたたずむお地蔵さんのようでありたいのだ。
治療技術だとか、エビデンスだとか、そんな冷たいもので真に人を癒すことはできないと私は思う。もっと広く、深く、大きく、あたたかいものによって、命の力を目覚めさせ、歓喜と感謝に包まれて生きていく。少なくとも私の整体院は、それを支える場でありたい。
先が見えず、もはや未来はない。そんなひどい社会、極めて困難な時代だからこそ、宗教と揶揄されようが、神だのみと罵倒されようが、自分が信じる道を歩み続けようと改めて思う。何事においても、絶望の中に希望を見いだすことこそが、整体の本懐だと思うから。