「半農半Xという生き方」という名著がある。私は2003年に手に取り、読んだ。著者は、塩見 直紀 (Naoki Shiomi)さん。当時サラリーマンだった私は、大いに感銘を受け、大いに触発された。ここにこそ、理想の生き方があると強く感じた。
半農半Xという生き方とは ———— 以下、書中より引用転載する。
半自給的な農業とやりたい仕事を両立させる生き方を、私は「半農半X(はんのうはんえっくす)」と名づけて提唱している。
自ら米や野菜などのおもだった農作物を育て、安全な食材を手に入れる一方で、個性を生かした自営的な仕事にも携わり、一定の生活費を得るバランスのとれた生き方である。お金や時間に追われない、人間らしさを回復するライフスタイルの追求でもある。
いわば、エコロジカルな農的生活をベースに、天職や生きがいを求める生き方だが、私は天職、生きがいに社会的な意義を含ませている。
一人ひとりが「天の意に沿う持続可能な小さな暮らし(農的生活)」をベースに、「天与の才(X)」を世のために活かし、社会的使命を実践し、発信し、まっとうする生き方だ。
当時の私は、サラリーマン人生に絶望していた。大量生産と大量消費を前提とする経済競争社会で生きることに、心底、疲れ果てていた。毎日が辛くて、苦しくて仕方がなく、ついにはうつになり、死にたいとまで思い詰めていた。
そんな中で知った理想の生き方だが、私には“農”の経験やスキルがゼロ。また、その8年前に二世帯住宅を新築し、両親と同居していたため、田舎に移住することは無理がある。何よりも、当時の私には“X(=得意な仕事、大好きな仕事)”がなかった…
幸いにも、その5年後に、私は“X”を見つけた。それまで考えもしなかった整体という世界に、自分の生きる道を発見したのだ。あれから12年、苦労に苦労を重ねて、サラリーマン時代の数倍の収入を得ることすら可能となった(それだけニーズが多く、可能性が大きいということである)。
その間、生涯のパートナーに出会い、半農半Xを実践する盟友たちと出会った。一方で、二人の息子が自立し、この二年間で両親が立て続けに亡くなった。そこへ、今回のコロナショック。かつて夢に見た理想の生き方を実現する、後押しをしてもらっていると感じる。
現代社会には、どうしても“X”が見つからない人が、とても多いと思う(特に中高年)。そのような方は、もしかしたら、かつての私がそうであったように、それまで考えもしなかった整体の道に、あなたの“X”を見つけるかも知れない。
「命」、「自然」、「生き方」、「健康」、「癒し」などのキーワードが心に引っかかり、なおかつ人と関わり、人に尽くすことに喜びや生きがいを感じるならば…その可能性は、とても大きいと思う。そして、時代が大きく変わろうとしている今こそが、大きなチャンスだと思う。
いきなりの起業はハードルが高いので、まずは地道に人に触れる(施術する)ことから始めてみてはどうだろう?6月に開催する二日間の入門講座を受講すれば、並のプロが知らない知識と技術を習得することができる。ぜひ自分の“X”を見つけて欲しいと願う。
もしご興味があれば、以下のリンク先ページをご覧ください。