昨日は、松田優作さんの命日だった。亡くなったのは、確か1989年11月6日なので、もう30年以上になるのか。
私が優作さんの存在を知ったのは、中学生の時だったと記憶している。テレビドラマ「太陽にほえろ」のGパン刑事役の優作さんは、私の心を鷲掴みにした。彼の身長が185センチだと知り、自分も絶対にその身長に達するのだと、かたく心に決めた。そして、その通りになった。
大学時代は、優作さんの真似をしまくった。まず髪型、サングラス、タバコ、仕草を真似た。そして着衣なども、似ているものを探し、組み合わせて、身につけた。そのおかげか、大学時代のニックネームが「ユーサク」になり、卒業するまでそれが本名だと思い込んでいた友人もいたくらいである。
この写真で優作さんが身につけている赤と白のスタジアムジャンパー、ブリーチアウトしたジーンズ、キャメルカラーのウエスタンブーツも買った。さすがにジャンパーを素肌に羽織ることははばかられたが、似た格好をして過ごすことを好んだ。しかし、脚の長さだけはどうしても真似できず、それを悟ってからは、真似をするのはやめた。
一度だけ、実物を間近で見たことがある。優作さんがレコードデビューした際に、近所のくずはモール(当時はモール街という呼称)にプロモーションのために、やってきたのだ。1メートルくらいの距離まで接近したが、それはそれは、もう、発するオーラが凄まじく、卒倒しそうなほどかっこよかった。
優作さんの遺作となった「ブラックレイン」は何度観たかわからない。亡くなった直後に観たときは、映画館で号泣した。命をかけて信念を貫いた優作さんの魂に、共鳴したのだろう。亡くなって30年以上が経過したも、多くの人の心を掴んで離さないのは、その独特の風貌もさることながら、孤高の魂ゆえのことではないかと思う。
私の中で、ずっと優作さんは生き続けている。私は、優作さんが亡くなった年齢より20年も歳を重ねてしまったが、優作さんは永遠の憧れである。