一昨日3月28日、千葉県船橋市の関東道場における最後の講座開講を終え、6名の研修生が修了を迎えた。それぞれが、感慨無量の面持ちで、修了にあたっての気持ちを語ってくれた。ご縁をいただき、共に過ごした時間がただただ愛おしく、感謝の気持ちでいっぱいになり、いつもながら涙を堪えることはできなかった。
私たちの整体道場で真剣に修行を積めば、必ず人は変わる。人によっては、修了時には一年前とは別人といってもよいくらいに大きく成長する。しかし、実は変わったのではなく、本来の自分が表に出てきたのだと私は考えている。成長とは、魂が、心と身体を通じ、自由自在に表現できる状態になること、つまり命の扱いが上達することと考えている。
亡き師匠が命がけで私に伝授してくれたこの整体は、とても不思議な力を持っていると改めて強く感じる。我が身ひとつをもって、ただひたすら、ゆるし、ゆるみ、ゆだね続けるという実践を通じて自分に向き合い、自分の本当の声に耳を傾け、自分が心地よい方へ向かい、勇気をもって歩んでいく。この整体は、そんな力を与えてくれるのである。
現代社会には、息苦しく、生き辛い人が膨大に存在する。それがいかなる苦悩であれ、症状であれ、境遇であれ、その根底に必ず横たわっているのは、命の尊厳の喪失である。超巨大な怪物ともいえるこの社会は、全ての命の尊厳を蹂躙し、喰い尽くすべく、今やその姿を露わにし、牙を剥き出しにしているが、それに気付くものはほとんど存在しない。
そんな絶望的状況の中で、針の穴ほどのわずかな光であっても、そこに大いなる希望を見い出し、あきらめることなく歩み続ける。そして、自らを癒し、他を癒すことに、全身全霊を傾ける。修了生たちには、それができる力を授けたつもりである。これからますますその力を磨き続け、存分に発揮して欲しいと願うばかりである。
修了を迎えた6名の研修生の皆さん、おめでとうございます。そして、本当にありがとうございました。ご縁をいただき、共に時間を過ごさせていただいたことに、心より感謝をしております。いつもお伝えしている通り、修了は本当の始まりです。学び合い、支え合いながら、同じ地平を目指して歩む同志として、これからなおいっそう、よろしくお願いいたします。