施術後に乳児が死亡した事件について思うこと

少し前になりますが、乳幼児を対象にしたあるボディケアのNPO法人が、新潟と大阪で死亡事故を起こしたというニュースが流れていました。
http://www.yomiuri.co.jp/osaka/news/20140906-OYO1T50004.html

ニュースが流れた当時、NPOの代表は「施術と死亡には直接の因果関係はない」と主張をし、施術を続ける意向を示していました。
さまざまな人が、この事件を取り上げ、Facebookやブログ等で意見を述べていました。

ようやく騒ぎが鎮静化して参りましたので、これら一連のことに関して、私の思うところをこのブログ記事でまとめておきたいと思います。
少し、みなさんの意見とは異なると思います。
違和感を持ったり、反感を覚える人も多いと思いますが、率直に書きます。

乳児死亡事件

▼一方的な個人批判に対する危惧

この施術法は、NPO代表が独自に考案したそうです。
主宰者の方のFacebookタイムラインはじめ、さまざまなところで動画や静止画が公開されています。
それらを拝見する限り、たいへん不自然で、無理のある施術法に思えます。

だからといって、ブログ等で一方的に批判をするのは、注意が必要と思います。
手技の是非に言及するだけなら、一般の人に注意を促すという点で、理解ができます。
しかし、このNPO代表の人格まで否定をするような論調には、私は思わず目をそむけたくなります。

幼いいのちが失われることは、この上なく悲しく、痛ましいことです。
赤ちゃんを亡くされた親御さんの気持ちを察すると、やりきれない思いがいたします。

誰が見てもわかる通り、たいへん危険を伴う施術法に思えます。
NPO代表自身がメディアのインタビューで述べていますが、施術に科学的根拠はなく、すべて経験に基づくとのことであり、不確かで危険極まりないと感じます。
実際にこの代表にお会いしたら、とんでもない人間という印象を持つかもしれません。

しかし、もしそうでなかったら、どうするのか。

吐いた唾は、もとへは戻せません。
人を否定する言葉は、他者を傷付け、周囲を傷付け、自分をも傷付けます。

私は、それが誰であれ、特定の個人を否定、批判、非難はするまいと考えています。
もしするなら、最低限、実際にお会いして、対話をして、その人の考えや意見、人となりを確かめてからにする。
その上で、どうしても否定、批判、非難をしたいなら、本人に直接告げる。
少なくとも、自分のブログで名前を出したり、その人とわかるようなカタチで批判はしない。
電子掲示板上で、匿名で罵倒するなどもってのほか。
私は、そう考えています。

なぜなら、よく確かめもせず、一方的に個人を批判をするのは「いじめ」に近いと感じるからです。
特に、大勢を占める意見に便乗し、個人を批判している様子を見ると、その対象がどんな悪人であろうと、私はとても悲しい気持ちになります。

こんなことを申し上げると、必ず「きれいごと」と言われますが、どんな悪人でも罪人でも、人の子として生まれて来たのです。
生まれた時は、誰もが穢れ無き赤ん坊であったはずです。
いろんなことが積み重なり、道を誤り、悪事を働いたり、犯罪に手を染めるに至ったのでしょう。
そこには、他の誰にもわからない、とても悲しい事情があるに違いありません。

この代表が、どのような気持ちで仕事に取り組んでいたのか、それもわかりません。
一生懸命、母親や乳児のことを考えた結果のことかもしれません。

本人に確かめることもせず、実際に施術現場を見もせず、その人の事情を察することもせず、ネットに流れている情報だけをもとに、大勢の意見に乗じて、個人や特定の組織を批判、非難する。
それは、良識ある大人がする行為ではないと思います。
少なくとも、人の健康やいのちに関わる仕事に携わる者がすべきことではない。

今回の事件に関わらず、ネット社会では同様のことが日常的に行われています。
まるで「犯人捜し」「悪者叩き」が正義の行為とばかり、みなさん躍起になって批判をします。
現在は「シェア」という機能があり、簡単に情報が拡散できます。
これは、便利な反面、たいへん危険なことだとも感じます。
簡単ゆえ、あまり考えずに情報が拡散し、批判に拍車がかかりかねないからです。

子どもや青少年のいじめが、昔に比べると悪質化、陰湿化、残忍化していると聞きます。
それは、このような大人の社会の反映ではないでしょうか。
また、世の中から戦争が無くならない遠因は、ここにもあるのではないでしょうか。

いま一度、よく考えてみたいものです。

▼偏見と問題のすり替え

本事件に関して、医療従事者や業界関係者の意見や主張で多いのが、次のようなものです。

– 整体やカイロを野放しにするから、こんな事件が起きる
– 人の身体に触れることを職業とする者は、必ず国家資格を取るべきだ
– 行政は、無資格者を厳しく取り締まるべきだ

このような意見を述べておられる方に、ぜひお訊ねしたいことがあります。

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身体の痛みを訴えて、国家資格保持者(=医師)が運営している医療機関(=病院やクリニック)で受診をしても、ロクに話も聞かず、身体に触れもせず、痛み止めや湿布薬を出すくらいの処置しかしないのはなぜですか?
整形外科の医師の多くが、腰痛や膝痛の原因をよく調べもせず、「年だから」とか「太っているから」と片付けてしまうのは、なぜですか?
いくら病院へ治療やリハビリに通っても、一向によくならず、悪化する一方、そんな方々が藁にもすがりたい気持ちで、私たちのところへ駆け込んで来られる事実をご存じですか?

癌患者の約8割が、癌そのものではなく、癌治療で亡くなっているという調査報告があることをご存じですか?
国家に認められた抗癌剤は、実は猛毒であることをご存じですか?
ほぼすべての医師が、自分や家族には抗癌剤は使わないと回答した調査結果があることをご存知ですか?

医療費が年間40兆円に迫ろうとしているのに、世の中から病気が減らないのはなぜですか?
その裏にある、からくりや隠された意図を調べようとしたことがありますか?
平気で国民に嘘をつく国家に認められた「資格」が、そんなに素晴らしいのですか?

なぜ医師は、痛みや症状の原因を器質的疾患にしか求めないのですか?
どんなに苦しくても、辛くても、検査で異常がなければ「異常なし。気のせい、精神的なもの」として「自律神経失調症」と片づけてしまう現実をどうお考えですか?
なぜ大半の医師は、徹底的に原因を追究して、患者さんを救おうとしないのですか?

心の病は、薬物で解決できるとお考えですか?
精神科医に多剤大量処方をされ、その副作用や離脱症状で苦しんでいる人が大勢いることをご存じですか?
そういった、心の病で悩む人たちが、“無資格者”である私たちに救いを求め、多くの人が救われている事実をどうお考えになりますか?

乳幼児に打っているワクチンの成分がどのようなものであるか、ご存じですか?
子宮頸がんワクチン接種が原因で、取り返しのつかない身体の痛みや症状を発症している少女が少なからずいるのをご存じですか?
多くの医師は、その因果関係を認めないそうですが、それについてどうお考えですか?

約500万円出して、三年間かけて医療系国家資格を取得した者たちの多くが、開業もできなかったり、薄給やアルバイトに甘んじている事実をご存知ですか?
開業できても、その多くが、食べていくために健康保険の不正利用をし、その額が年間5,000億円に上ることをどう思われますか?

~~~~~~~~~~~~~~~

おわかりでしょうか。
今回の事件を遥かに上回る数と規模の非人道的なことが、国家資格取得者たちの手で行われているのが事実です。
合法的に行われているため、問題にされないだけのことです。
それとも、法律に従ってさえいれば、何をしてもいいと主張するおつもりでしょうか。

今回の事件は、資格の有無で済ませられる単純な問題ではないのです。
それにも関わらず、医療従事者を中心とした「頭の良い人たち」は、資格の有無に固執します。
これは、偏見と問題のすり替えだと思います。
あるいは、自分の立場を守ったり、正当化したい我欲によるものではないでしょうか。
事件の原因は、資格の有無ではなく、個人の資質や良心の問題とする方が、事実に近いと私は思うのですが、いかがでしょうか。

私が心から尊敬申し上げる、ある手技療法家の先生は、国家資格はお持ちではありません。
しかし、医師が学びに来るくらい、高度で詳細な解剖学の知識をお持ちです。

もちろん手技療法家として一流であり、豊富な実績をお持ちです。
特に、現代医療が見放した難治性疾患や、先天性疾患の各種随伴症状(言語遅滞、学習遅滞、運動遅滞)改善に数多くの実績をもたれています。
医師にできないことを実践して、多くの人を救っているのです。

この先生が、どうやって解剖学を学んだか。
ほとんど、独学だそうです。
施術の現場で難しい症状に遭遇したとき、人体解剖アトラスを紐解き、徹底的に調べ、症状の原因を考えに考え抜いたそうです。
また、骨格模型を分解し、骨の一つ一つをスケッチし、なぜこのような形になっているのか考えたり、手に骨の形を覚え込ませたそうです。

すべて実践の中で、必要があって、コツコツと身に付けて来られたものなのです。
それは、苦しんでいる人を救いたい、絶望している人のいのちの尊厳を何としてでも守りたい、自分が最後の砦になりたいという強いお気持ちの上に、積み重ねた実績の賜物です。
資格の上にあぐらをかくのではなく、良心と思いやりの気持ちを土台に実践することが、いかに大切かを示す生きた見本です。

整体やカイロの業界は、玉石混交です。
今回の事件のように、危険極まりない施術を行う者も、少なくありません。
素人同然の者が、施術を行う店も増えています。
その一方で、前述のような素晴らしい先生もたくさんおられます。
そんな先生たちの手で、医師が見放した症状から救われる人たちが多いのは厳然たる事実です。

玉石混交は、有資格者でも同じだと思います。
何よりも大切なのは、他者を批判するのではなく、自分の仕事に全力を傾け、誠心誠意全うすることではないでしょうか。
その上でお互いを認め合い、理解し合い、尊重し合い、協力し合うことが、世のため、人のためだと私は思います。

それでも国家資格に頑なにこだわる方がおられるなら、ぜひお願いがあります。
現代社会において、法律や資格がどのように使われているか、冷静に観察をしていただきたいのです。
もちろん、ある一面では一定以上の倫理や品質を守るために、使われているでしょう。
しかし別の面においては、私たちを愚劣化し、隷属化させ、搾取するための道具になる危険があるのです。
政治や行政は、私たちを幸せにするために存在するのではないのです。
その事実に、どうか気付いてください。

そして、私たちがどのような社会を目指すべきか、真剣に考えて欲しいのです。

法律や規制でがんじがらめにならないと、正しいことができない社会を目指すのでしょうか。
それとも、自らの良心に基づき、正しいことを行うのが当たり前の社会を目指すのでしょうか。

私は、後者を目指すべきと考えます。
理想が高すぎると批判されるかもしれませんが、高い理想を掲げ、それを目指し、現実を変えていくのが、私たち大人が責任をもってなすべきことではないでしょうか。
法律を守っていれば何をしてもいいと、人のいのちを粗末にすることがよいことだとは、私にはどうしても思えません。
そして、法律や規則でがんじがらめになった社会を子孫に遺したいとは断じて思いません。

▼私たちの自覚と責任

前述しましたが、今般問題になっている施術法は、見るだけで危険と感じます。
いくら免疫力が高まると言われても、いくら成長に寄与すると言われても、私だったら、絶対に自分の子供には受けさせません。
乳児に整体など必要ないし、特にこんな不自然な手技は問題外です。

本事件でたいへん痛ましく、悲しく、やりきれないのは、自分の意志でどうにもできない乳児が犠牲になっていることです。
そして、その陰には、我が子に健康になって欲しい、元気で育って欲しいという親の切実な願いがあることです。

しかし、我が子の健康を他人に委ねてしまうという甘えや依存心があり、なおかつ不自然なものに対する直感が働かなかった。
そこに、大きな原因があるように思います。
そしてこの原因は、医療、教育、食料、住宅など、私たちを囲むあらゆる分野の根底に横たわっており、私たちの生命や健康は、大きな危機にさらされています。

私たちのいのちは、自然からもたらされたものであり、自然の一部として営み続けていることは、絶対に変わることのない事実です。
自然界には、メソッドもノウハウもありません。
科学や医療も含め、人間の頭で考え出したメソッドやノウハウは、時に便利でありがたいものですが、それを盲信したり、手放しで依存をすることがいかに愚かで危険なことか、この事件が教えてくれているのではないでしょうか。

自然の実相は、調和です。
多様なもの、多彩なものが存在し、それぞれがお互いを認め合い、理解し合い、尊重し合い、助け合い、支え合い、いのちを永らえていくのが、自然と調和した生き方です。
それは、自然やいのちに対する尊厳を認め、感謝と思いやりの気持ちを持った生き方です。
私たちは、それを目指すべきであり、それ以外の道は、必ず破滅へ向かいます。
なぜなら、自然に背く道だからです。

自然を敬い、自然を手本とし、自然に還ることの大切さを一人ひとりが自覚し、できることから実践しない限り、このような悲しい事故はなくならないことでしょう。
特定の個人や団体、あるいは業界や職種を叩いて済ませるのではなく、一人ひとりが気付き、学び、心と行動を改めることが、失われたいのちに対するせめてもの償いだと私は思います。

今がどういう時代なのか、それに気付くこと。
そして、自分の役割を自覚し、責任を持って仕事をすることが、何より大切と考えます。
他者の批判など、している暇はないはずです。

▼対立と分断を避ける

本投稿の締めくくりとして、とても大切なことを述べておきたいと思います。
それは、「対立と分断を避ける」ということです。

現代社会は、個人が簡単に情報を発信し、拡散できるようになりました。
SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の普及が、その大きな原動力となっています。
コミュニケーションが活性化するという良い面もありますが、危険な面もあります。
その最たるものが、対立と分断を招くということです。

前述した通り、よく確かめもせず、特定の誰かや組織を否定、非難、非難すること。
それぞれの価値観に基づく主張をするあまり、他を排除しようとすること。
それが共通の敵を介したつながりを生み、組織的、集団的な対立に発展してしまうこと。

これは、本当に危険であり、避けねばならないことだと私は思います。

なぜなら、対立と分断の先には、必ず争いが生まれるからです。
争いが極度に発展したものが、戦争です。
戦争になると、多くの命が失われる一方で、巨万の富を得る者たちもいます。
世の戦争のすべては、その者たちが故意に起こしているという事実を、私たちは知るべきです。

実は、小さな対立と分断も、故意に起こされているのです。
私たちの関心が本質に向かわぬよう、小競り合いによって私たちを疲弊させる意図もあるでしょう。
そのためのツールとなっているのが、SNSなのです。
ぜひそのことをご理解いただき、対立と分断を避けるよう、切に願います。

大切なのは、和することです。
平和な世の中や幸せな暮らしを望むのは、万人万国に共通のはずです。
それぞれ意見や主張の違いはあれど、根本にある望みを分かち合えれば、話し合い、譲り合うことが必ずできるはずです。
もしどうしても埋められない溝があるなら、それはそれとして放置すればいいのではないでしょうか。
すべてにおいて決着をつけるなど、そもそも無理な話です。

先にも述べましたが、多様性と調和こそ自然の実相です。
私たち人間は自然の一部であり、自然の営みの中で生かされる存在です。
自然の一部でありながら、智恵と言葉を与えられた意味を問い、自分のあり方を問うことが、一人ひとりに求められていると感じます。
何よりも大切なのは、個々の自発的な気付きと行動です。

平和は、一人ひとりの心から始まる。
戦争も、一人ひとりの心から始まる。

まずはそのことを自覚し、自分から対立と分断を起こさぬよう、厳に戒めたいものです。

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コメント

  1. 大変感銘を受けました。
    よろしければ、ブログでこの記事を抜粋して紹介したいのですが、よろしいでしょうか?
    よろしくお願いいたします。

    • 花澤さん、ありがとうございます。
      このような記事でよければ、ぜひご紹介ください。
      よろしくお願いいたします。

      • ブログに書かせていただきました。
        http://riraseko.exblog.jp/22979049/
        一番伝えたい部分を抜粋させていただきました。
        問題がありましたらご連絡下さいませ。

        • 花澤さん、ありがとうございました。
          有資格者=安全という認識こそ、危険極まりないと感じます。
          ただ、整体の業界は玉石混交です。
          私たち一人ひとりが、誠心誠意仕事をして、喜んでいただくこと。
          地道にそれを積み重ねていくしかないと思います。
          共に、頑張りましょう。

          • ありがとうございます!
            そうですよね。私もこの世界に入った頃は完全な「石」でしたし今も「玉」にはなれていません。(>_<)
            近ければ西田さんの塾で講座を受けてみたいのですが難しいのでブログを読ませていただいたり、動画を拝見しております。
            ちなみに、西田さんが書かれた小冊子、「掌ひとつの革命」欲しいです。
            女、33歳、整体師、中野区上高田4-40-2。
            ほしい理由は「役に立ちそうな気がするし、どんな内容なのか興味がある」というところです。
            私もお客様に喜んでいただけるよう、誠意と自信を持って仕事がしたい、たくさんのことを知り、身につけ、上達したい。と思っています。
            西田さんの無痛整体は「時間は15分で、施術者が疲れない」「お客様は喜んでくれる」というところに驚きと少し疑問(すみません)と魅力を感じ、興味があります。
            動画を見たら、気持ちよさそうだったので「もっと長くやってほしい」と私だったら思いそうだと感じたのです。
            長々と失礼しました。

  2. ありがとうございます!
    近々書かせて頂いて、ご連絡いたします。

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